沖縄ガーデン訪問記 ~依存症治療の現場から~
またブログを更新しないまま、しばらく時間が過ぎてしまいました。
順序は逆になりますが、まずは、最新の「沖縄ガーデン訪問」から、
ご報告します。
沖縄ガーデンは、これから新しく沖縄にできる、ギャンブル依存症、薬物依存症、アルコール依存症のための回復施設です。
沖縄ガーデンと呼んでいますが、正式名称は、「一般社団法人セレニティーパークジャパン沖縄」です。
治療的司法研究会でお世話になっている奈良県弁護士会の菅原直美先生が、奈良ガーデンで、ダイバージョンセンターという形で法律相談をしておられ、新しく沖縄にも回復施設が建設されるというので、見学に同行させていただきました。
私は、ワンネスグループの施設訪問は初めてです。
本当は、訪問時には、建設が完成しているはずだったのですが、
沖縄の工事は、とにかくゆっくりしていて、時間がかかるのだとか…。
電柱がまだ来ていないので、電気が引けません、
じゃ、いつ来るんですか?、
さぁ…、しばらくすれば、来ると思いますよ、という感じだそうで、訪問時はまだ建設中だったのですが(笑)、お邪魔させていただきました。
空港まで迎えに来ていただいた後、まずは、腹ごしらえ。
地元のおいしいお店を案内していただきました。店内は畳敷きで、地元の方でにぎわっています。
私は、沖縄ソーキそばをいただきました。
その後、南城市にできる依存症施設へ。
まだ建設中でしたが、広くて、明るい感じ。
目の前に海辺の景色が広がっていて、解放的な南国の雰囲気が漂っています。
ここで、職員江口さんから、ワンネスグル―プの取組みや、
依存症からの回復のための取組みの流れについて、教えていただきました。
その後は、一度、海辺の喫茶店で休んだ後、
夕方6時半から、ガーデンの方が講師をされる「依存症を知るセミナーin那覇」に参加するため、那覇市へ移動。
喫茶店のテラスから眺める海の素敵なこと!
お勧めメニューのようだった、「くるくまぜんざい」とアイスコーヒーを頼んだのですが、
このくるくまぜんざい、とにかく、豆、豆、豆。なんでこんなに豆がたくさん入ってるの?
本土のぜんざいには、こんなに豆は入ってないよ。
さすが沖縄…。あなどれない。(私も仲間の弁護士もお腹いっぱいになってしまいました)。
依存症セミナーでは、今日のテーマは、「中高年の依存症」です。
もちろん、若者にもネット依存症など、重要な問題はあるのですが、(合法的な精神薬依存などもあるでしょうね)、
現在では、覚せい剤などの薬物依存症は、若者より中高年の再犯が多く、
人生の節目を迎える中高年者にとって、重大な問題となってきています。
セミナーが終わった後は、沖縄ガーデンが経営する「KENDAMA」(けんだま)というラーメン屋さんへ。
働いているのは、沖縄ガーデンのメンバーということで、施設長で案内役を務めて下さった泉さんも、
お昼はお店に立っておられるのだそうです。
中は、スタイリッシュなイメージ。
オリオンビールとお勧めの塩ラーメンをいただきました。
横についているネギのにんにく(かな?)がおいしいのです。
最初は、ネギは入れずに、あっさりとした塩味だけでいただきます。
化学調味料はどは一切使っていないというだけあって、あっさりとして、すっきりしたお味。とてもおいしいです。
塩味だけで少し食べた後は、ネギとエキスと入れて召し上がれ。
途端に、とても深い、濃いお味になるから不思議です。
ちなみに、このから揚げは、一皿250円なのですが、なんとおかわり自由なのだとか!(驚きです!)。
高校生が大量におかわりしていくそうです。
ケンダマを出た後は、ホテルへ。
今回は研修旅行で、節約旅行。
訪問は土曜日で混んでいたため、ぴっちり隣り合ったツインベッドに2名が眠り、ちょっと大変でしたが、
それもまた、いい思い出となりました。
翌日は、海辺のビーチで、グループワークをするため、ガーデンの方が運転して下さるハイエースに乗って、
海辺を目指します。
(海の色が違うです。なんて綺麗な海…)。
そこで、急遽、海辺にある喫茶店で、(といっても、十分開放的です)、2組に分かれて、セッションをすることに。
私はBグループだったのですが、なんと担当のガーデンの方は、
私が先日、大阪弁護士会で講演を聞いて、ギャンブル依存症に取り組む田中真紀子さんのインタベンション(介入)を受けて、沖縄ガーデンにつながった方でした。
田中さんと会って、「このままだと死ぬから」と言われ、仕事を辞める間もなく、
そのまま、沖縄行きの飛行機に乗せられたそうです。
職場には迷惑をかけたと思っていましたが、後に電話したときは、職場の誰もが、全然大丈夫だよ、
治療につながって良かったと、喜んでいてくれ、彼を責める人は誰もいなかったそうです。
セッションを終えた後は、海辺でしばらく絶景の海を見てすごし、(若い子たちは、波に入って遊んでいました)。
さらに、すごーく高い橋の上の絶景ポイントに連れていっていただき、景色を鑑賞したりして過ごしました。
さらに、海辺の喫茶店で、ベリージュースと焼カレーをいただき、波とたわむれて夕刻までの海辺の時間を楽しみました。
2日間、案内していただいた沖縄ガーデンの泉さん、江口さん、ベックスさんには、感謝、感謝です。
その後は、日曜の夜だったため、値段が安く、少し奮発して泊まることが出来た瀬長島ホテルへ戻り、とりあえず温泉へ。
ここは、昨年開業した、テラス型の店舗と一体になった、とても雰囲気のいいホテルで、温泉や露天風呂もあるのです。
国際どおり方面へ出て、弁護士と社会福祉士、地元の臨床心理士で、夜遅くまで語りあかし、お開きとなりました。
しかし、こんなにゆったり時間が流れたのは、何年ぶりでしょうか…。
南国の雰囲気に加え、沖縄ガーデンの方々のご協力のおかげです。改めて、感謝です。
今後、南城市の施設が完成したら、私のクライアントの方にも、この施設をご案内させていただきましょう。
重症者の場合、今まで住んでいたのと同じ場所やその近郊では、回復は期待できません。
環境を変えないといけないのです。
例えば、大阪なら、西成に行けば、覚せい剤が買えることはわかっているし、向こうから電話がかかってきたりしますから。
本気で止めたいなら、大きく場所を移動して、生活環境を変えていくしかないのです。
沖縄ガーデンの完成が楽しみです。