熊本刑務所見学記 ~日弁連人権擁護委員会から~
新年から2つ、裁判員裁判事件の公判を立て続けに行っているうちに、ブログもアップしないまま、
もう2月末になってしまいました。
今年こそは、もっと文章を短くして、こまめにアップしようと思っていたのに…。
今年は、禅の心にならい、「減らす」をテーマに、仕事でも生活面でも、健康的な生活を送りたいな…と思っています。
それはともかく、今年の日弁連人権擁護委員会の刑務所見学は、2月19日に「熊本刑務所」に行ってきました。
一昨年に旭川刑務所、昨年は岐阜刑務所と、LB級(犯罪傾向の進んだ、刑期10年以上の受刑者を収容する刑事施設)が続いた流れで、九州のLB級である、熊本刑務所を訪問させていただくことになりました。
裁判員裁判が終わって、フラフラのまま、さくらに乗って、JR熊本駅へ。
(さくらは、4列シートで快適ですよね。少し早めに予約したので、ギリギリ8号車の指定席が取れました)。
街には、至るところにくまモンが。
チャーターバスで約30分で、熊本刑務所に着きました。
熊本刑務所は、九州管区で唯一のLB級施設で、
無期が約25%、LB(刑期10年以上)が約55%で、合計80%以上を占めます。
罪名でいえば、殺人、強盗致死傷系、強姦系だけで、およそ70%。
最高齢者は、無期刑の方で、なんと93歳!
病気で入退院を繰り返しておられるようですが、そんな状態でも、仮釈放には検察官が反対するそうです。
無期刑の仮釈放は、この5年で、2名出たそうです。(少ないが、全国的に少ないので、仕方がない)。
長期受刑者ばかりの施設なわけですが、施設見学中にみかける受刑者の方々も、髪が白い人が多く、高齢の方が目立ちました。
介護の問題が出てきますが、ベッドなどの物理的なものは、予算がつけば導入できるものの、マンパワーが足りない、
受刑者の中に介護係はいるものの、休みや夜間となれば、職員が対応せねばならず、介護の知識も不足していると言っておられました。
常勤医は去年はいなかったが、今年は1人、消化器系の医師に来ていただけたそうです。
建物は古い感じで、保護室は新しいものが3つありましたが、静音室はありませんでした。
監視カメラのついた部屋が7つあり、病状や自殺などの処遇保安上、動静確認の必要性がある人、他害粗暴性のある人、逃走可能性がある人など、綿密に動静を見なければならない人が出たときに入れるそうです。
居室や工場だけまわり、雰囲気だけ見ていると、大阪刑務所などの方がピリピリした感じがするのですが、
無期刑が多数いる岐阜刑務所も、表面的には、そんなにピリピリした感じは伝わってきませんでした。
しかし、遠くから響いてくる、イチニ―、イチニ―、という軍隊行進の掛け声は、なかなかのものですし、、
(他府県でも、人権委員会からの勧告が出ていますけど、続いているようです)、
作業中の方々は、我々が通るときには必ず壁の方を向いて、背を向けられます。
他の施設では、普通に作業を続けているので、実際は、けっこう規律が厳しいのかもしれません。
建物が古いので、建物が一続きで、工場が続いていますが、反目などの問題もあり、
他の工場は通らず、回り道をするそうです。
居室や工場、運動場などを見せていただき、約2時間の見学を終えました。
熊本刑務所の方々、どうもありがとうございました。
最後に、矯正物品の販売店で、くまモンのメモパッドを買いました。
中がシンプルで、書くスペースも大きいので、これなら事務所で使えそうです。
この週は、頭に、裁判員裁判の公判があって、疲労がたまって、フラフラの状態でしたが、
何とか今年の刑務所見学を終えました。
これからも、毎年、地道に、各刑事施設を回りたいです。
こういう機会がないとなかなか行けませんから…。
翌日は、午前中は雨だったのですが、昼前には雨があがり、せっかくここまで来たのだからと、熊本城見学に。
苔むした感じの城壁や、同じく苔むしながら、整った樹木が静謐な感じで、いいお城でした。
では、今日はこのへんで…。
(今年は短くてもいいから、しっかり更新!を目指したいものです)。