あけましておめでとうございます ~年始のご挨拶~

あけましておめでとうございます。

今日からお仕事!

また、1年が始まりましたね。

 

 

 

 

 

ココ・シャネルは仕事が大好きで、日曜日が退屈でたまらず、早く月曜にならないかと待ちわびていたと何かの本で読んだ記憶がありますが、私はつくづく凡人です。

ああ、正月休みが終わってしまった、また月曜から仕事か…、

週末には尋問があるし、書面は何本かあげないといけないし…と思うと、気分はブルーなことこの上ない。

仕事は好きなんですが、月曜を心待ちにするシャネルの心境にはなれそうにないですね。

 

しかし、まぁ、一番ブルーなのは休みが終わる前日で、始まってしまえば、だんだんあきらめがついてくるというものです。

さぁ、コーヒーでも飲んで、また一頑張りしましょうか…、(^_^;)

 

昨年のクリスマスのころ、社会福祉士さんとの連携のもと(いわゆる「大阪方式」)、知的障がい者が再度の執行猶予判決をいただいた万引き事案で、保佐人になって下さった社会福祉士さんからメールがありました。

「あれから無事1年がたちました。

被告人は、不満も多少はあるけれど、施設で頑張って暮らしています。

またお手紙でも書いてあげて下さい」という近況報告でした。

 

ああ、そうだった、あの事件の判決が出たのはクリスマスのころだっけ…。

被告人が釈放されることになり、福祉関係者の方々が時間をさいてきて下さったけれど、

すぐ年末年始の休みに突入して、行政手続きができなくなり、

もし何か突発事態が起きると対応できないということで、結構大変だったのを覚えています。

 

(実際、被告人は環境が変わったことや精神的な緊張が影響したのか、お風呂場ですべって怪我をしたりしました。

刑事裁判から社会内処遇へ移行する場面で、人一人を支援していくというのは、結構、微妙で大変なことなんです)。

 

釈放の場面までくると、それまで奮闘していた弁護人の私には、だんだんすることがなくなっていき、

かわりに行政の福祉関係者の方々や、保佐人さんの出番へ。

皆様にはほんとうに大変なご苦労をおかけしました…。

 

 

しかし、あれから1年と聞いて、正直、驚きました。

 

「え、もう1年?」ではなく、「え、まだ1年?!」、「1年しかたってなかったっけ?」という驚き。

もっと時間がたったような…、2年くらいはたった気がする。

(確かに、判決をもらったのが年末で、必死で事件に対応していたのは、その数か月前なせいもあるのですが…)。

 

振り返ってみれば、この1年、結構がむしゃらに走っていたのだと思います。

そのせいで、主観的には、2年間くらいは経過しているような気がしてしまったのです。

 

昨年は、記録の丁数のあつい事件もいくつかあったものの、(それはそれで悪戦苦闘しました)、

従来だったら、1回結審か、せいぜい2回結審くらいで終わってしまうような、

これはどうにもならないですよと言われて終わり!のような事件、

例えば、覚せい剤依存(執行猶予中の再犯)、クレプトマニア(これも何度も繰り返してしまう)、

性犯罪(何度も同じ行為を繰り返したり、突然不可解な行動に出るような事案)や、

ストーカー(前々からやりたいなと思っていたので、これから追及していくところですね)といったような事件を、

なぜこの被告人が犯罪をしてしまうのか、どんな心理が働いてこういう行動に出るのか、掘り下げて追及した1年でした。

 

(私は、刑事裁判に問題を解決する力があるとは思っていないけれど、少なくとも解決の糸口にはしたいとは思っています。

「量刑相場ではこうなります」、

「今の刑事裁判では、こう処理することになっているんです」、

「これで正しいことになっています」、というだけで終わるのは嫌なのです。

自分がそうされたら、すごく悔しいし、無念だと思うからです。

自分が悪いことをした以上、裁かれるのは仕方がないということはわかる、

でも、裁くなら、きちんと真実を語ってから裁いてほしい。

事件の表面だけなでさすって、わかったことにして、右から左へ流さないでほしい」と、

私が被告人だったらそう思うと思うのです)。

 

各事件では、最初のうちは、なぜこの被告人がこんな行動に出るのか、「謎の世界」ですから、
限られた時間の中を、結論はわからないまま、手探りで進んでいくことになります。

 

裁判官は、最初はいかにも疑わしそうな目で私をながめます。

しかし、こちらの正直さと熱心さに、怪訝そうな顔をしつつも、証拠採用はして、尋問は聞いてくれるのです。

しかし、日程はつめられてしまうので、その間に問題を分析し、当事者(被告人本人、妻、親ですね)を尋問に出せる状態まで仕上げていく作業は、非常にきつい作業になります。

ただ、全て終わって、原因(真実)がわかってみると、驚くほど学ぶところがたくさんありました。

 

医師の先生方、心理士の先生方には、本当にお世話になりました。

医師の 意見書も見慣れてきたというか、書式は同じなのですが、1年前に見ていた時の理解とは格段の違いです。

心理士の先生方の分析についていくのも、だんだん板についてきて、最近では心理分析の結果を聞くのを楽しみにするようになりました。

 

今日も、SOMECの心理士さんと電話で週末の尋問の打ち合わせのをしたところです。

私自身もカウンセラー的な要素はもっているらしきものの、心理学を勉強したわけではありませんので、やっぱり本職は違います。

弁護士だけではたどりつけない、いろいろな気付きを与えていただけるので、心理士さんの分析を聞くのは大好きです ♪

(毎回、とても楽しみにしています)。

 

そんなわけで、昨年は、主観的には2年に感じるくらい走り続けた1年間でしたが、

(特に、秋から冬にかけては、毎年ピッチがあがってきて、とってもキツイのはなぜだろう?

刑事事件全体の流れなのでしょうかか、それとも、偶然なのでしょうか…)、

今年も走り出したら、自分の意思では止まれなくなるのでしょうね…。(今から戦々恐々です)。

 

すべては目の前の事件に全力を尽くすことから始まるをモットーに、また1年やっていきたいと思います。

千里の道も一歩から!

 

皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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