Sleeping Beauty ~眠れる森の美女の叡智とは?~
早いものですね。
慌ただしい日々の中で、ブログまで手が回らず、ついついさぼっていたら、前回の掲載からもう3か月以上が過ぎていました。
ブログの題材を考える暇のないほど、目まぐるしい日々でした…。
(やっと一息ついているところです)。
今日は、前々から書きたいと思っていた、ディズニーのお姫様たち、
特に、眠れる森の美女のオーロラ姫を題材にブログを書いてみたいと思います。
ディズニーのお姫様たちの中で、あなたは誰が好き?と聞かれたら、
私は、シンデレラと「美女と野獣」のベルが好き!と答えます。
理由は、意思的だから。(意志と書くべき?でも、弁護士は「意思」という文字でないとなぜか落ち着かない…。)
シンデレラは、不遇な現状や継母や姉たちの意地悪に負けず、忍耐強く耐えながら、めぐってきたチャンスをつかみ取っていきます。
そこにあるのは、「自分は将来、美しいものに囲まれながら、豊かに暮らす女性になりたい」という意思だと思うのです。
また、ベルは、ガストンがかっこいいという村の娘たちの中で、まったく違うセンスをもち、変わり者と言われる「本の虫」。
周囲とは価値観や感性が違い、とにかく浮いてしまうのだけれど、
(アニメの中では暖色系の服を着た村人たちの中で、ベルは唯一青い色の服を着ていて、
彼女が周囲に馴染めず、浮いていることが示されています)、
本人は、どこ吹く風とばかりに意に介さず、自分の感性と価値観を貫いて、最後は野獣を選びます。
二人に共通しているのは、「自分の人生は自分で決める!」という意思のような気がします。
そういう意思的な女性が好きな私にとって、一番理解しがたく、共感がわいてこないお姫様が、Sleeping Beauty。
オーロラ姫でした。
生まれながらの美貌をもち、王女様という恵まれた環境に生きて、最後は素敵な王子さまと結婚するのですから、
羨ましい限りだとは思いますし、
他者と争わず、穏やかで従順な性格も美徳だと思うのですが、
まるでお人形のようで、この人自身はどうしたいのか、 本人の意思がまるで感じられません。
このお姫様はいったいどこがいいのか、このお話は何を言っているのだろう?とずっとわからなかったのです。
それが、しばらく前に、ディズニーのお姫様の解説本のようなものを読んだ際、(最近はたくさん出ていますよね)、
なるほどー!と納得できる話を見つけることができました。
解説本によると、トラブルが発生して、うまくいかないときは、ときにはオーロラ姫のように、ぱったり寝てしまうのがいいというのです。
オーロラ姫は、糸車の針がささり、魔法の力で100年の眠りにつくけれど、
目が覚めてみると、あら、不思議!、
目の前には素敵な王子さまがいて、知らないうちに呪いは解け、問題はすべて解決しています。
つまり、物事はうまく処理しようとあがくより、しばらく寝かせておき、時間をおくことで、自然と解決することがある。
眠れる森の美女は、「期が熟するときを待つことの重要性」を教えているのだというのです。
なるほどー ♪ と、初めて納得することができました。
上の話は、聴いていると、何だか虫のいい話のようですが、弁護士の仕事をしていても、確かにそういう時はあるような気がします。
もちろん、やるべきことをやって、最善を尽くしてからの話なのですが、
それ以上は、もうどうすることもできないときは、しばらくおいておくべきなのかもしれません。
すると、理由はよくわからないのだけれど、しばらくして、物事が解決の方向に向かって動き出すということは、あるような気がします。
日本語でいうと、「果報は寝て待て」になるのでしょうか。
しかし、人間はどうしても、「早く解決したい。解決した!というすっきりした気持ちを味わいたい。」という欲求にかられます。
未解決のままで耐えるのは、とても辛いことなのです。
で、つい、あがいてしまいます。
又は、あがかないまでも、ウツウツしたり、モンモンとしたりして、マイナスの気分に浸っていき、
自分から負のスパイラルの中に落ちていってしまうのです。
ここで、あかがずに、悩まず、Sleeping Beautyの叡智を実践できるのは、成熟した大人だけです。
なぜなら、まず第1に、この「知恵」を知っているほど知的でなければならないし、
さらに、知恵を知っているだけではダメで、
第2に、焦らず、未解決状態の中で、じっと待ち続けるだけの「忍耐力」と「精神力」を持っていなければならないからです。
(子どもはここで泣き叫んでしまって、待つことができません)。
と考えれば、私が苦手な、従順たる「眠れる森の美女」は、実は、自然の叡智を知って、時を待つことを実践できる成熟した女性ということになるのでしょう。
刑事事件の中でも、じっと期が熟するのを待ち続け、忍耐せねばならない場面は多々あるように思います。
私も、Sleeping Beautyを見習ってみましょうか。