一部執行猶予初の1項破棄! ハルとローズマリーの夫婦二人三脚日記をアップしました

昨年秋、実は、大阪高裁で、一部執行猶予制度始まって以来の1項破棄判決が出ました。

期せずして、得た判決でしたが、内容は素晴らしいものです。

題して、「一部執行猶予を目指して -ハルとローズマリーの夫婦二人三脚日記-」をアップしました。

 

今まで、情状、それも更生や治療というと、一般情状だとして、裁判官がどんなに不当な量刑判断をしていても問題にされませんでした。

しかし、一部執行猶予制度が始まり、これからは情状といえども、証拠をきちんと見て、正しく評価して、適切な量刑判断をする時代が来たのだと思います。

 

この1項破棄の控訴審判決は、弁護側が取り組んでいた治療内容を逐一判決で取り上げました。

これからは、このような事情が量刑判断に影響を与える以上、裁判官は出来る限り保釈を認め、被告人と弁護人に治療や更生に取り組む機会を与え、それを立証する機会を保障していく必要性があるのです。

ハルとローズマリーの事案が参考になれば幸いです。

 

ちなみに、このハルとローズマリーという名前は、「愛しのローズマリー」という映画からとったのだとか。

ウィキペディア情報でしかありませんが、今まで外見が美しい女性ばかりおいかけていた男性ハルが、ある日、催眠術をかけられたのをきっかけに、内面の美しい女性が美しくが見えるようになり、街でみかけたローズマリーという女性に一目ぼれしたのだけれど、実は、ローズマリーは体重100キロの巨体だったというラブコメディのようでした。

しかし、表面的な外見の印象だけにとらわれず、深くその内面を見て、真実を見通して判断する、という点は、この判決に通じるものがあるのではないのではないでしょうか。

当事者が選ぶ名前って、すごく感慨深いものがありますね。