薬物事件の詳細「薬物依存」という病気ととらえ、依存からの回復を目指す

覚せい剤、大麻、危険ドラッグ等の薬物事件については、薬物問題を「依存症」という「病気」ととらえ、薬物依存からの回復支援団体NPO法人アパリと連携して、被告人の回復と新たなる刑事裁判のあり方を模索していきます。

 

● 薬物犯罪

「覚せい剤」「大麻」「MDMA」、最近では危険ドラッグなどもありますが、このような薬物の使用・所持で逮捕される場合、まず大きな分かれ目は、「営利目的」かどうかということでしょう。
要するに、単なる「自己使用者」に過ぎないのか、「売人」や「組織」の側の人間なのかという問題です。
営利目的などないにもかかわらず、営利目的で起訴された場合は、事実関係を争うことになります。

 

● 薬物依存は「病気」です。 -薬物依存からの回復を目指して―

自己使用や自己所持の場合、それは、「薬物依存」という「病気」です。

薬物に依存せずにはいられない問題を本人が抱えているということなのです。
拘置所に入れられ、刑務所に入れば、その間は使用できませんが、出所したら、また薬物を使いたいという渇望に苦しむことになります。
そもそも薬物依存は病気ですから、本人の意思だけではどうにもならず、やめることができないのです。
なのに、現在の裁判では、初犯では病気に対するケアは何もしないまま、執行猶予を付けて放り出し、再犯を犯せば実刑に処するというお決まりの処理を繰り返しています。

「被告人の規範意識は著しく鈍麻しており、再犯に及ぶおそれは極めて大きい」などというのは、検察官の決まり文句です。
その結果、被告人は、再び薬物使用を繰り返し、執行猶予が取り消されて、2回分の刑期を合わせて受刑しなくてはならなくなり、だいたい3年間くらい社会から引き離されてしまいます。
その結果、受刑を終えた後には、帰るところなどなくなってしまい、社会復帰ができなくなるのです。

 

● 薬物依存からの回復支援団体「NPO法人アパリ」との連携

―新たな道を求める試みへ―
NPO法人アパリ(本部:東京)は、2000年(平成12年)2月に設立され、覚せい剤を初めとするあらゆる薬物依存からの回復を包括的に支援してきたNPO法人です。
アパリは、同じく薬物回復支援団体であるダルクともつながり、施設入寮の斡旋や、精神科医療機関への紹介なども行っています。いわば薬物依存回復の専門家であり、先駆者的存在です。
司法を担当する弁護士と、薬物依存回復支援団体であるアパリが連携して薬物事件にあたることは、従来から、個別事件では行われてきました。そして、そのような活動は、裁判上も評価されており、量刑面に反映することも多々あったのです。
そのような連携の存在をより多くの方々に知っていただき、活動をより大きなものへと発展させていくことが我々の目的です。

弁護士には、接見交通権が保証されており、被告人との接見について、時間や回数の制限はありません。
もともと更生に適した資質を持ち、証拠などの刑事記録にもアクセスできる弁護士が、被告人との接見を重ねて問題性を感じ取り、それを薬物支援回復の専門家アパリに引き継ぐことで、より効果的な薬物依存からの回復を期待することができます。
被告人の真の回復を目指す支援がなされれば、それは裁判上も評価され、結果的に量刑面でも、より軽い量刑へと反映されてくるのです。

 

● 精神科医との連携  ―精神科の病棟へ入院して、専門治療プログラムを受ける―

刑事事件になって、警察署や拘置所で身体拘束されている方々について、保釈をとり、大阪府富田林市に所在する「汐の宮温泉病院」の精神科・閉鎖病棟へ入院していただきます。
精神科医のもとで、「条件反射制御法」という12週間の専門治療プログラムを受けていただくことができます。
刑事手続きにのってしまった覚せい剤依存症者を引き受けてくれる上、依存症の専門治療プログラムを実施できる病院は他にはなかなかありません。
裁判では、二度と再犯しないために専門治療を受けたことを主張・立証して、量刑を軽くしてもらえるように主張します。
(薬物依存症者を刑務所に閉じ込めておいても、依存症が治るわけではなく、むやみに長期の受刑をさせても何の意味はないからです)。
事案によっては、実刑とせずに社会内で処遇してもらえるように、再度の執行猶予を主張していきます。

 

 

●心理士によるカウンセリング -刑事司法に対応できるカウンセラーにつなぐ

犯罪を犯してしまう人には、成育過程や環境などの影響で心理的な問題や内面的葛藤を抱えている人が少なくありません。

それが形を変え、「犯罪」という姿で表出しているとき、その原因を解明して対処していくためには、専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けることが有効なときがあります。

しかし、刑事司法に乗っていること人に対応できる心理士はなかなか見つけられません。

こちらでは、カウンセリングが必要な方には、SOMECの心理士によるカウンセリングをご紹介し、問題の核心を探っていくことが可能です。
裁判には、心理士作成の「治療計画書」を提出し、必要なら、心理士に法廷に立って証言してもらうことも可能です。

このような対処法は、まだ薬物依存症があまり進行していない方(精神病などを発症していない方)、他に精神疾患や障害のない方、人格的偏りがなく、穏やかな傾向を持つ方には非常に有効に機能します。

再度の執行猶予の主張が可能になる場合もあります。

 

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