性犯罪心理カウンセリング ~大阪府の再犯防止モデル事業~

めっきり春めいてきた今日この頃ですが、いかがお過ごしですか。

私は、大きめの裁判員裁判の審理が終わり、判決を待っているところで、ようやく一息ついているところです。

          

 

裁判員裁判の準備や審理があったため、ご紹介が遅れてしまったのですが、

今日は、先日、大阪府の方々が、大阪弁護士会まで出向いて説明をして下さった
「大阪府・再犯防止モデル事業」である「性犯罪心理カウンセリング」のご紹介をしたいと思います。

 

平成28年12月に、「再犯の防止等の推進に関する法律」が成立しました。

現状では、検挙者に占める再犯者の割合は、48.7%とのことで、「再犯者率」が上昇している、

安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、「再犯防止対策」が必要不可欠だということで、
同法の4条では、1項で、国については、「再犯の防止に関する施策を総合的に策定・実施する責務があること」、
2項で、地方公共団体については、「再犯の防止等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じた施策を策定・実施する責務」が規定されました。
そして、これに応じて、「再犯防止推進計画」が打ち出されました。
これには、5つの基本方針と7つの重点分野が定められているですが、
今回のモデル事業は、この7つの重点分野のうち、④「特性に応じた効果的な指導」に該当するのだそうです。
このように、再犯防止推進法や国の再犯防止推進計画に基づき、国・地方公共団体が連携した効果的な再犯防止対策を講じることが求められているが、モデルとなる事例がない。
そこで、国・地方公共団体の協同による地域における効果的な再犯防止対策のあり方を調査するため、それぞれの地方公共団体が、①地域の実態調査をして、支援策を作成し、②モデル事業を実施して、③事業の効果を検証し、再犯防止計画を充実させていくという取組みを行うことになりました。
そして、大阪府が再犯防止推進モデル事業として、平成31年1月から実施することになったのが、
「性犯罪に関する心理カウンセリング」というわけです。
関係機関として、検察庁や保護観察所とも連携しておられるそうで、弁護士会にも担当者の方が説明に来て下さったのでした。
                     
心理カウンセリングの支援対象となる方は:
① 痴漢(迷惑防止条例6条、又は、他府県の条例が規定する同種行為)、盗撮、公然わいせつ(刑法176条)、児童ポルノ製造などの性犯罪を行った方、
 
② ①の罪により、起訴猶予、罰金・科料、執行猶予の処分を受けた方
  (保護観察付き執行猶予となって、性犯罪処遇プログラムを受けられた方は除く)
 
  ※ 平成30年10月1日から、平成32年9月30日までの間に処分を受けた方を対象とする。
 
③ 大阪府内に居住する方
 
とのことです。(支援終了予定:平成32年12月 ※早期に終了する場合があります。)
カウンセリングは、臨床心理士2名で対応し、1回90分のカウンセリングを原則5回まで、無料で受けることができます。
(あくまで原則ということなので、必要性があれば、柔軟な対応も考えておられるようでした。)
グループワークではなく、完全な個人カウンリングで、本人とカウンセラーだけ、府の職員等は同席したりしないということでした。
カウンセリング後は、必要性があれば、必要な機関に引き継ぐといった対応も考えておられるようでした。(例えば、自立支援課へ引き継ぐなど)。
       
支援までの流れは、
① 関係機関などから、制度について、教示を受ける。(検察庁、弁護士、保護観察所などが考えられます)。
 
② 支援の申込み
  申込先は大阪府/支援申込書兼同意書を提出する
 
③ 申込み受理(大阪府)
  →  届け出内容等の確認(検察庁などに要件を満たす処分を受けているか確認する。)
 
④臨床心理士による心理カウンセリングの実施
 
とのことでした。
 
【問い合わせ・申込先】
 
〒540-8570 大阪市中央区大手前2丁目 大阪府 青少年・地域安全室 治安対策課
 
          TEL: 06-6944-6843(直通)
             (平日午前9時~午後6時まで)
                    
対象になっている痴漢・盗撮・公然わいせつ等の性犯罪は、本人の生きにくさなどと関係しており、本来もっと別の方向で得るべき達成感や充実感などを、性犯罪に該当する行為で得ている「誤った自己治癒行為」の面があるため、本人の生きにくさが続く限り、繰り返しやすい傾向があります。
 
深い心理などは、他人はもちろん、家族にも話すことができず、一人で抱え込みがちです。
この大阪府のモデル事業は、お金のない方でも利用でき、専門の臨床心理士のカウンセリングが受けられる点で、画期的といえるのではないでしょうか。
モデル事業が順調に進み、効果があることが実証できれば、将来、再犯防止施策として、大阪府で実施されたり、他府県でも実施されたりする可能性があります。
悩んでおられる方は、是非利用されてはいかがでしょうか。
このブログでご紹介した内容については、大阪府でチラシを作って、配布していて、ホームぺージにも公開されているのですが、いかんせん、そのページまでたどり着くのが難しい…。
「大阪府 再犯防止モデル事業」で検索
「大阪府/再犯の防止等の推進にかかる法律にかかる取り組み」をクリック
そこに表示された項目のうち、
「地域再犯防止推進モデル事業 (性犯罪者に対する心理カウンセリング)」をクリック
すると、説明文が出ます。色刷りのわかりたすい案内チラシは、
⇒ 案内チラシ (PDFファイル)(WORDファイル)をクリックすると出てきます。
せっかくのモデル事業なので、このブログでも紹介させていただきました。
是非、ご活用下さい。
              

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