ミニーさんのクレプトマニア治療体験記 PART2 (裁判と治療編)

PRART2では、ミニーさんの刑事裁判の流れと、

赤城高原ホスピタルへ入院して、ミーティングに参加して、治療し続けたミニーさんがたどり着いた境地をご紹介します。

 

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ミニーさんが、刑事裁判の間に、どんなことを考え、どんなことを学んだのか、

収監までの間、自宅で家族と過ごした間に、どんなことを想って、どんな過ごし方をしていたのか、ぜひ読んでみて下さい。

 

 

【刑事裁判の流れ】

 

ミニーさんとの初回接見は、数時間に及びました。

「事件までの経緯編」で書いたように、ミニーさんの場合、幼少期の育ち方、そこから発症した摂食障害など、
とても長いヒストリーがありましたから、それを聞き取るのには長い時間がかかったのです。

遠方だったので、何度も来ることはできません。

1回で、ある程度、少なくとも保釈請求に支障がないところまでは、聞き取ってしまわねばなりません。

そのため、初回接見が数時間に及ぶわけです。

 

そして、その後、コーヒー店でコーヒーを飲みながら、ご主人からも事情を聴いていきます。

 

初回接見時は、ご家庭の経済事情は知りませんでしたが、後から知ると、けっして余裕のある状態ではありませんでした。

既に、ミニーさんが一度受刑しており、まだ幼い子どもを抱えているミニーさんの家庭は、経済的に非常に苦しい状態だったのです。

今でも、思い出すと、あのときのご主人は、よくこれだけの決断をされ、よくここまで行動されたな…と感心してしまいます。

普通だったら、あきらめてしまうでしょうに…。

 

ミニーさんの治療と回復は、すべて、このご主人の存在あってのことなのです。

 

ミニーさんの事案は、出所後の再犯の事案ですから、保釈請求が当然認めてもらえるケースとはいえません。

まず、ご主人に、私の接見メモとクレプトマニア・チェックリストを持って、赤城高原ホスピタルを受診してもらい、

竹村先生の診断書をもらって、クレプトマニアの資料や身元引受書・誓約書・上申書などを準備して、保釈請求へ。

 

このケースは簡易裁判所にかかっていたのですが、面談をした裁判官は、提出した資料も読み込んでおられ、面談時にはとても丁寧に話を聞いて下さいました。

保釈保証金は、事案の性質から、どうしても一定金額以上は下がりませんでしたが、

裁判官は、「責任能力の主張が出るかもしれないけど、仕方がないですね…」と言いながら、治療の必要性を認めて、

保釈を許可をして下さいました。

 

(どうもありがとうございました。

おかげさまで、治りました。これでもう二度と再犯しないでいられそうです。

本人のみならず、家族も助かりました。これで家族が生きていくことができます。)。

 

ミニーさんの事例に限らず、全体的に、従前より、保釈は認められやすくなっている印象なのですが、良いことだと思います。

逃亡するとは思えず、証拠隠滅も考えがたいような事案で、拘置所に閉じ込めておいても、得られるものは何もありませんから…。

多少時間はかかっても、保釈で出して、治療に勤めさせ、犯罪に陥ってしまう原因の解消に努めさせ、負の連鎖を止める方がよほど建設的だと思います。

 

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いったん、ご主人のお母さんにミニーさんを預かっていただき、

赤城のベッドが空くとともに、制限住居を変更して、入院・治療を開始しました。

 

裁判でも、趣旨を理解していただいて、従来であれば1回結審でもおかしくない事案に、毎回、長めの期日と長い尋問時間を取っていただき、尋問もよく聞いていただきました。

(ミニーさんが、長年、摂食障害をわずらい、それと連動しながら、万引きを繰り返していることは、記録からも明からだったせいもあるかもしれませんが…)。

 

途中、検察官が流行のインフルエンザに倒れて、期日が延期されたこともあり、公判は、4回で終了して、第5回公判期日で判決が言い渡されました。

(検察官は、「インフルエンザのため、期日が飛んでしまってどうもすみません」と丁重に謝ってこられましたが、

「いえ、もう、うちは全然かまいません。

全く気になさらないで下さい」、とお返事させていただきました。笑)。

 

裁判の流れは、以下のとおりです。

第1回公判で、罪状認否。

第2回公判で、保安員さんの尋問。

第3回公判で、被告人質問(罪体)。

第4回公判で、夫の情状証人尋問、情状に関する被告人質問、論告・弁論

第5回公判で、判決言渡し。

 

当初は、赤城高原ホスピタルの医師の意見書をお願いするつもりでしたが、保釈保証金の工面で、本当にお金が底をついてしまい、意見書を用意することはできませんでした。

しかし、意見書をいただいても、検察官から不同意をくらえばどうしようもありません。

それに、この事案は、再度の執行猶予が可能な「執行猶予中の再犯」事案ではなく、

出所後5年以内の「累犯」の事案なので、どんなに頑張っても執行猶予はつかない実刑事案でした。

 

ならば、意見書がなくてもいいじゃないかと開き直ることにして、(ミニーさんは不安そうでしたが…)、

治療の成果は、被告人質問と他の資料で出すことにしました。

結局、診断書1枚と、弁護人のいくつかの手持ちの資料を報告書にして証拠請求、

さらに、ミニーさんが、毎日、ミーティング後に、気の合う友人数人と集まって、ミーティング内容について思い返し、発言内容や考えたことをまとめていたノートの写しを証拠請求しました。

(内容うんぬんではなく、ミニーさんがいかに真剣に治療に取り組んでいたかを出したかったのです)。

 

検察官からは、不同意の意見が出たのですが、情状ですから、自由な証明で足りるということで、職権で証拠採用していただきました。

その結果、求刑は懲役1年6月のところ、判決は懲役10月というものでした。

(前刑が懲役8月だったので、これ以上はどうにもならなかったのです)。

 

裁判官からは、「厳しい判決ですが、累犯なのでこれ以上はどうしようもない。

あなたは、頑張りすぎるところがあるから、完璧主義に陥らず、適度に自分を許して、

身体に気をつけて、頑張っていって下さい。」との言葉をいただきました。

(裁判官は、毎回、被告人質問や夫の情状証人の後に、言葉をかけて下さっていました)。 

 

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【治療について】

ミニーさんは、赤城高原ホスピタルのミーティングに毎日参加していました。

少ない日で1日2回、多い日で1日4回。

平均して、1日3回くらい、ミーティングに参加していたことになると思います。

クレプトマニア、摂食障害のミーティングに参加し、最後は、アダルト・チルドレンのミーティングに強い関心を示していました。

 

ミニーさんがミーティングで考えて、たどり着いた心境を、下にあげておきます。

皆さんの参考になれば幸いです。

 

◆仮釈放期間は、無事過ごせましたが、仮釈放されて約4か月後にまた再犯してしまいました。

どうして再犯してしまったと思いますか。

 

出汁を手にとって、その値段が高かったときに、

この1回だけで明日からはもうしないという甘い考えがあったからだと思います。

そして、自分はいつでも万引きをコントロールきると思っていたからだと思います。

 

◆目の前で、保安員さんのお話を聞いて、他人の目に映る自分の姿を突き付けられて、どんな感想を持ちましたか。

また、被害店舗に対しては、どんな気持ちをもつようになりましたか。

 

自分では、焦っていると思っていたのですが、結構堂々としていたんだな…と感じて、情けなくなりました。

 

私は、モノを盗んでいると思っていたけれど、結局、そこで働いている方々に損害を与えて、迷惑をかけていたのだと思います。

被害店舗の方々には、本当に申し訳なく思っています。

自分がした事の償いは、これから一生万引きをしないという行動で示さねばならないと思っています。

 

◆今回は、ご主人が、保釈金と治療費を工面して、赤城高原ホスピタルに入院できましたね。 

赤城へ入院させてくれたご主人の決断と行動については、どんなふうに思っていますか

 

私との縁を切って生活したほうが、経済的にも精神的にも楽に生活できるのが明らかなのに、

それでも必死で支えて助けようとしてくれている姿に、愛情を実感して、言葉も出ませんでした。

私を必要としてくれていることをしっかり実感できて、その思いが私の治療とこれからの生活の原動力になっています。

 

 

◆主治医であった竹村先生からは、どんな診断を受けましたか。

機能不全家族からの摂食障害とクレプトマニアだと診断されました。

 

◆竹村先生からは、摂食障害とクレプトマニアはどんな関係にあると言われましたか。

とても密接な関係で、他にも合併する病気はあるけれど、最も合併しやすい病気だと言われました。 

 

◆どういうところにクレプトマニアの症状があらわれていると言われましたか。

自分が犯している犯罪に対しての危機感がないこと。

特定の激しい衝動にかられて極端な行動をとり、その行動の結果、自分にも周りにも不利益と迷惑を与えると分かっていても、行動を抑えることができなかったところです。

 

 

◆「溜め込み」という点では、何か指摘を受けましたか。

物だけでなく、お金も含めて、ありとあらゆるものを溜めこむ。

1個使うと2個ためこむ。

常にプラスになるように、溜め込もうとすると言われました。

 

◆クレプトマニアを克服して、万引きしないためにはどういうふうにしていかねばならないと言われましたか。

クレプトマニアだという意識をもつこと。

表面的な対策だけでなく、どうして万引きをしてしまうのかということを自分に問いかけて、

本当に万引きをやめるためにどうしたらいいのかを常に考えていく必要があると思います。

だから自助グループなどのミーティングに参加し続けて、自分がクレプトマニアだという意識づけをしていくことが必要です。

  

◆摂食障害については、竹村先生からどんなアドバイスを受けましたか

食べ吐きをしない。

摂食障害の人は、ニコニコ仮面だから、自分の気持ちを他人に伝えることをする。

何でも自分を押さえて、周りに合わせようとして自分を苦しめ、その苦しみを食べ吐きで解消するのが摂食障害の人の特徴の1つなので、自分の気持ちを伝えて、人に合わせようとしないこと。

また、摂食障害を克服するという気持ちを持ち続けることです。

 

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◆赤城では、どれくらいのミーティングがあるのですか

少ない時でも1日2回で、多い時は1日4回のミーティングがあります。

私は、クレプトマニアと摂食障害とAC  (アダルトチルドレン)のミーティングに参加してました。

 

 

◆ミーティングに参加して、何が一番大きな気づきでしたか

 

 社会の中では言うことのできない盗癖について、隠すことなく話ができた事が、すごく大きかったと思います。

今までは、正直に言うことが出来ないので、嘘で塗りかためた日々を送ってきました。

でも、ミーティングで、本当のことを正直に話すことを続けていくうちに、
嘘をつくということに罪悪感を感じるようになり、苦しい気持ちになることを実感しました。

 

正直に言う場を得たことで、嘘をつくことに罪悪感を覚えるようになったのが一番大きいと思います。

 

自分にも人にも言い訳をして、嘘をついて生活していたから、人の目を盗んで隠れて行動ばかりしていたし、
みんながやっているからとか、誰も見ていないからとか、これくらいなら、1回だけなら…という考えが、
必ずどんどん広がっていって、アディクションにつながることを学びました。

人は人で、自分は自分だから、自分と家族が幸せに生活をするために、自分が何をすべきかという自分の考えをしっかりもって、人に流されないことの重要性を学びました。

 

◆今までは、どうして嘘をついてしまっていたのでしょうか

幼少期の影響で、人の目を気にして、(母や夫の前で)、「いい子」でいようとする。

自分自身を生きることではなくて、人に合わせた生き方をしていたからだと思います。

 

◆そうやって、人に合わせてうちに、自分の気持ちはどうなっていきましたか

苦しみ、不安、不満だらけの生活だったし、

自分の欲望や望みしか考えられず、それを思い通りにするために、周りをコントロールしようとして、
それが出来ない現実との差にイライラしていました。

 

それが万引きにもつながっていたことを、客観的に分析して、気付くことが出来たことは、とても大きいと思っています。

 

◆それに気付いて、その後は、どう考えるようになりましたか

自分は、相手に気遣っているのだから、相手にも同じようにしてほしいと求めていましたが、
自分をきちんと生きることで相手に不満をもたなくなりました。

相手に不満をもたなくなると、イライラして、そのイライラを万引きで解消しようとすることもなくなります。

 

自分の欲望や望みを中心とした生活ではなくて、お互いが幸せになる考え方をして、
支えあって生きていくこ大切さを学べたように思います。

  

自己否定感が強くなった時や、自分の気持ちや考えを伝えずに、溜め込んでしまったときに、万引き行為に出てしてしまう危険があることに気づくことが出来ました。

 

これからは、①夫に正直に話していくこと、(つまり、ありのままの現状の自分を自分が受け入れて、それを素直に夫に話していくこと。そのとき、夫の評価は気にしない。夫から、「まだ、そんなことを考えているのか」とか、を「あまり成長できていない」と思われるかも…と思うと、言えなくなってしまうけれど、そう感じていること自体も含めて、夫に伝えるようにしました)、②定期的に、KAに参加し続けることで、万引き行為に出ない自分を維持していくつもりです。

 

◆それ以外に、具体的に生活の中で工夫したことはありますか。

金銭出納帳をつけて、レシートを張って、夫にも見せています。

ポイントカードやチャージ式のカードは全て処分しました。

 

◆どうしてポイントカードやチャージ式のカードがダメなのですか

集める、得をするということに対して、クレプトマニアはすごい執着があるので、、

ポイントカードなどは危険で、ポイントの溜め込みからスリップにつながるんです。

チャージ式のカードも、お金を使う感覚と違うため、危険なので処分しました。

 

◆今は、不安感は抑えられるようになりましたか。

夫と子どもに必要とされていると感じられるようになりました。

また、生活の不安などはありますが、

先のことを考えても、そのとおりにはならないことを学んできました。

私は、家族に必要とされています。

自分たちの生活が苦しくて、辛くても、私を入院させてくれ、回復を信じて待ち続けてくれたんだと感じています。

 

次々、先のことを考えるのではなく、今を大切に、その時できることを着実に積み重ねていくことが、私を必要としてくれて、今も必要としている家族との幸せにつながると考えています。

 

すぐに結果を求め、「どうせ〇〇だから…」という思い込みの考えをなくしていくと、行動も変わり、それを家族も感じてくれて、私の幸せへと返ってきます。

 

 

◆溜め込むことで不安を解消しようとせず、「足るを知る」というテーマについては、どんなことを学びましたか

「無い」といっても、食べ物や物も、本当に何もないわけではないので、

今自分の家の中にあるもの、目の前にあるものに目をむけて、

何とか出来るものはないかなと思うと、だいたい何とかなることがわかりました。

今までは、自分の手元にない、店のものにばかり目がいっていました。

赤城でも、所持品チェックがあって、それほどだくさんの物は持ち込めなかったけど、それで十分生活できたのです。

 

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◆ミニーさんのケースでは、判決による収監の1ヶ月前に自宅へ帰り、夫と子供と過ごして、赤城で学んだことを社会の中で実践しようとしましたね。

この赤城退院後、自宅で過ごした、収監までの1カ月間は、どんな意味がありましたか

家族と一緒にいても、やろうと思えば隠れて行動する事もできるし、子供と公園に行った時とか、コンビニやお店に行く事もできる状態でした。

だけど、用事もないのにお店に行く事がアディクションに繋がるし、夫との約束を破る事になり、隠し事をして生活はできませんでした。

そういう隠れ行動が裏切る事になると思うとできませんでした。

以前は、おつりなどごまかしたりして渡さなかったこともあったけど、一円でもごまかす事はアディクションに繋がると思ってきちんと自分に正直になりました。

たとえ家族の財布だとしても勝手に触ったりもしませんでした。

 

とにかく、家族との時間を大切にして、子供と体を動かして遊んだり、家族3人でできる遊び(トランプ)をしたりもしました。

 

摂食障害のほうもいろんな欲求があり苦しかったです。

色々食べたくなる時もありました。

その時に、夫に正直に「焼きたてパンやデザート系にすごく執着とこだわりがまだまだあるから、○○が食べたくてたまらない」とか、きちんと自分のありのままの気持ちを伝えました。

それだけで、かなり気持ちが楽になり、アディクションの事を考えないでいられました。

 

は欲のままに買う事はできないから、我慢しないといけないとか、

みんなそれぞれ苦しい中コツコツ努力しているんだ、

それを続けると自分のプラスになるなどのアドバイスをくれました。

 

不安を感じたり、苦しくなると、何度も似た事を言いました。

その度に、夫に聞いてもらいながら、苦しみを乗り越えました。

 

夫は休みの日や買い物へ行った時とか、焼きたてパンを買って、みんなで(家族で)食べようと言ってくれました。

私はこの時、私が伝えた事をただ我慢しろと言うのではなく、私の気持ちを受け入れてくれてるのを感じて、すごく幸せでした。

 

私はコツコツ努力したら、こうして自分の幸せになって返ってくるのを何度も実感しました。

アディクションでは埋まらない心の隙間も、こうして家族の愛されている事を感じると、不安もなく、満たされて生活できました。

自分に素直に正直になる事の大切さを、改めて気づきながら、生活していました。

こうした生活を続けると、それがだんだん習慣になって、お店に寄りたいとか思わないで生活できるようになってきたことを自分でも実感できました。

こんなふうに、小さい行動の変化の積み重ねを大切にしないといけないのだと思います。

 

 

◆最後に、ミニーさんから、この刑事裁判を経ることで感じたことを話してもらえますか。

私は、今まで何度も犯罪を繰り返してきました。

本来なら保釈されないで、収監されているはずの私を、裁判官さんや、検事さんや、弁護士さんや、家族など、

たくさんの方の助けと許しによって、私は保釈を認めていただき、入院治療することができました。

この入院がなければ、自分が歪んだ考えをしていることにも気づけなかったし、
周りの人の愛情と許しによって今の自分があることや、周りの人の苦しみを感じる事ができなかったと思います。

私は自分の身勝手な考えと行動によって、たくさんの人に迷惑をかけて苦しませたことに対して、
心から申し訳ないと思っています。

周りの人のことを考えると、もう、私には、万引きはできません。

そして、万引きの先に幸せはないと考えてます。

 

私は、自由である限り、責任があることを学んだので、これからは自分の行動にきちんと責任を取って生きていきます。

 

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【私から】

治療に関する部分については、情状の被告人質問のために準備していた内容を記載させていただきました。

しかし、十分に準備していても、実際の被告人質問では、聞き方や答え方によって、微妙に流れが変わってしまうのはよくあることです。

 

ミニーさんの被告人質問でも、それはありました。

その中で、ミニーさんがその場で答えた内容で、私にとって最も印象的だった言葉が、「自由と責任」という言葉でした。

準備のための打ち合わせでは、そんな難しい話はしていなかったのですが、

最後に、裁判官にお伝えしたい言葉はありますか?と聞いたとき、

この最後のフレーズである、「自由である限り、責任があることを学んだ。私は責任を取って生きていく」という言葉が自然に出たのです。

 

私はとても印象的に感じ、この言葉が私の誘導ではなく、自然に出てくるならば、この人はもう万引きせずに生きていけるのではないかと感じたのでした。

 

幼少期の影響は、自分ではどうすることも出来なかった子ども時代に受けたものだけに、その人の人生に非常に強力な影響を及ぼします。

しかし、そんな強力な影響さえも、ゆっくり、じっくり、本気で取り組むことによって変えていける、最後には乗り越えていける、

ミニーさんの事例は、それを示してくれたのではないかと思います。

 

最近、藤乃さんのページを見て、出所後の再犯事案であっても、「立ち直りたい」と連絡を下さる方が増えました。

 

藤乃さんのケースがミニーさんのご主人を勇気づけ、ミニーさんとその家族を救ったように、

ミニーさんのケースが、「周囲の理解と本人の努力があれば、幼少期の環境の影響も乗り越えられる。
どんな場所からでも再出発を果たせる」という一例となり、
誰かを勇気づけられれば幸いです。

そして、いつの日か、それが当たり前のこととなって、皆さんの中で共有される考えとなれば…と思っています。

 

大海も一滴の水から出来ている。

まずは「一滴」が変化することで、いつの日か、「全体」の変化へとつながっていくのかもしれません。

 

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